トリグナ
トリグナ(心のドーシャ)
体のエネルギーであるドーシャに対し、心の基礎となるエネルギーはと「グナ」と呼ばれます。「グナ」には純粋性を意味する「サットヴァ」と動性の「ラジャス」、惰性の「タマス」の3つの性質があり、3を意味する「トリ」をつけて「トリグナ」とも呼ばれます。
サットヴァ
純粋性。増大することで体のドーシャバランスを整えるように働きます。また、精神的に愛情や優しさ、正しい知性などをもたらすという好影響があります。
増える → 体のバランスが整う
ラジャス
動性。増加しすぎると活動的になりすぎたり、怒りの感情が現れたりします。また、ヴァータとピッタを増加させるという働きもあります。
増える → 健康を害する
タマス
惰性。増加することによって、怠惰になり精神活動が沈滞します。肉体的には、カパを増加させるという影響を及ぼします。
増える → 健康を害する
トリグナとグナ
グナという言葉は、前述のように心の基礎となる3種類のエネルギーを意味すると同時に、宇宙に存在する20種類の性質を示す言葉でもあります。これらは同じ言葉を使うので混同されがちですが、別の概念を指しています。「トリグナ」は純正・動性・惰性という本質的な性質を現すものであり、「トリグナ」をさらに現象的に現したものが「グナ」なのです。そのため、「トリグナ」と「グナ」は横並びに解釈されるものではありません。ただし、「トリグナ」について語られる際、3を意味する「トリ」を除いて「グナ」という言葉を使うことがあるため、同じ名称にもかかわらず異なる概念を指すという事態が発生します。2つの言葉の意味を混同することなく理解してください。
心の基礎となる3つのエネルギー《トリグナ》
サットヴァ
(純性)
ラジャス
(動性)
タマス
(惰性)
「トリグナ」の性質を、より現象的に見たものが「グナ」となる。「グナ」と比べ「トリグナ」はより本質的だと言える。
宇宙に存在する20種類の性質《グナ》
重性
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軽性
冷性
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熱性
油性
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乾燥性
鈍性
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鋭性
静性
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動性
軟性
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硬性
濁性
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純性
滑性
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荒性
微細性
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粗性
固性
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液性
トリグナのアンバランス度
トリグナのバランスの乱れは、心のドーシャと呼ばれるラジャスとタマスの過剰により起こります。サットヴァは、純粋性という健康的な状態を示すので、病的な状態の判定には必要ありません。そのため、ここでは、ラジャスとタマスの状態を以下のチェックリストを使って診断します。ラジャスとタマスは、体のドーシャとも呼ばれるヴァータ・ピッタ・カパのバランスに反映されます。そのため、心のドーシャを是正するためには、体のドーシャのバランスをとる生活、あるいは心にサットヴァを増やすような生活を心がけます。トリグナのアンバランス度はドーシャと同じく各質問に5段階で答え、その合計点で診断します。合計点が30点以上のもの、もしくは4点以上が3つ以上あるものが、乱れているグナです。