シャーパについて
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- 3月24日
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更新日:5月21日

"Sherpa"と聞くと、まず山岳ポーターのシェルパを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、このSherpaは英語ではシャーパと発音し、ネパール語でもシャーパと呼びます。シャーパはネパールのエベレスト周辺に住むチベット系の民族で、チベット語で”東の人”と言う意味だそうです。現在はチベットではなくネパールの西部ソル・クンブ郡の山岳地帯に住んでいます。ソル・クンブ郡北部のクンブ地方はエベレスト登山の中心地となっているため、シャーパの人々はエベレスト登山に重要な役割を果たしています。しかし、登山が観光業となっている今日、ネパール全土から様々な部族、カーストのネパール人が仕事を求めてこの地にやってきます。そのため、エベレスト周辺で登山やハイキングに携わる仕事をしている人が必ずしもシャーパというわけではありません。日本ではシェルパという呼び名が有名ですが、Sherpaである夫や親戚達は誰もシェルパとは言いません。みんな自分達の事をシャーパと呼んでいます。なので、このサイトでは彼ら民族の事をシャーパ、山岳ガイドとしての職種をシェルパと統一しています。
名前
”Sherpa"は彼らのファミリーネームでもあります。シャーパのファミリーネームはSherpaさんとLamaさんの2種類しかありません(厳密にはもう少しあります)。SherpaさんはSherpaさんと結婚することはできません。Lamaさんもしかり。限られたエリアに住む少数民族なので、近親婚を避けるためなの習わしではないでしょうか。
信仰
シャーパの人々全てというわけではありませんが、基本的にはチベット仏教(チベット密教)を信仰しています。どこの親戚の家を訪れてもチベット仏教色が強く感じられる為、うちの親戚達はみなチベット仏教徒のようです。また、ダライ・ラマを信仰しているようなので、少なくとも私の親戚はゲルク派の信徒と思っていたのですが、所属する宗派に関わらずダライ・ラマは信仰の対象となる様で・・・後で確認してみようと思います。他のシャーパの人たちが何派のチベット仏教徒なのかはわかりませんが、海外移住しているシャーパも沢山いて、私の親戚の場合ですが、世界中のどこにいても信仰心が薄れることはなく常にチベット仏教を信仰しています。
※チベット仏教とチベット密教の違いですが、ざっくり言うと、仏教の中の特定の宗派が密教です。シャーパの人々が信仰しているのはチベット密教ですが、一般的にTibetan Buddhismと呼ばれ、直訳するとチベット仏教なので、ここはでチベット仏教と表記しています。

言語・教育
カトマンズや海外に出て教育を受けたり、村の外で仕事についたりした経験があるシャーパの人々は英語を話します。しかし、2023年時点で地元パプルの小学校に通う親戚の子供達はとても綺麗で流暢な英語を話していました。ちなみにネパールの学校での教育は全て英語だそうです。100%英語の教科書を使い、英語での会話を強制され、ネパール語を使うのは国語の時間だけだそうです。村内で生活している若者や年配の村人はネパール語とシャーパ語を話し、あまり英語は話しません。なので、村でのシャーパの人々の就学率はあまり高いとは言えないようです。ネパール全体での識字率は60%ほどだそうですが、英語を話すシャーパの人たちにとってはネパール語の読み書きは難しいそうです。英話者のネパール人はシャーパ同士でもネパール人同士でもメールや手紙のやり取りは全て英語、会話はネパール語を使用していました。英語を話せないシャーパの人達がネパール語や英語を書いているところを見る機会がなく、読み書きができるかまではわかりませんでした。ちなみに下の記念碑をシャーパの夫はよく読めませんでした。

食
他のネパール人と同様にダルバートやモモを食べます。そのほかに、チベット料理に近いトゥクパやポテトパンケーキ、コーンのスープなど独自の料理がたくさんあります。保存のためか、ドライミートを使った料理が多く、JeepTaxiのドライバーさんもカトマンズからパプルに向かう道すがら、事前注文していたドライミートをお持ち帰りしていました。高所のため、あまり農作物は豊富ではなく、昔は蕎麦を作っていたそうです。その後、ジャガイモが栽培できるようになると急激に人口が増加したそうで、今でもシャーパの人たちはジャガイモをたくさん食べます。カトマンズ在住の友人は里帰りも兼ねて私たちと一緒にパプルへ向かい、カトマンズの家族へのお土産としてパプル産のジャガイモを大量にJeepTaxiに積んでいました。






服装
ほとんどの人が普段はTシャツにズボンといった一般的な服装をしています。若者は流行りの服装をしています。伝統的なシャーパの民族衣装はチベットの民族衣装によく似ていて、結婚式など行事の時に身につけられます。女性の民族衣装は浴衣のように前見頃で合わせて腰についた帯状のベルトでしめる感じです。既婚者になるとカラフルなストライプのエプロンを付けます。村では年配の男性はネパール式の帽子を被っていたり、女性は普段から民族衣装を着て生活しているのを目にしました。また、宝飾類にはトルコ石をよく使います。結婚式には金にトルコ石があしらわれた豪華なジュエリーを身につけます。

身体的な特徴
シャーパの人々の外見はチベット人やモンゴル人ととてもよく似ています。日本でよく見かける仏様のような顔立ちで、一重瞼に目尻がシュッと上がっているイメージです。二重瞼に彫りの深い顔立ちの人もいるので一概にはいえませんが。肌色は日本人より少しダークスキン、髪はストレートまたはウェーブで黒髪の人が多いです。体格は日本人と同じくらいに感じました。
身体的な特徴が気になった出来事があります。私は標高約2,400mのパプルに到着した際には何の不調も起きなかったのですが、標高約2,700mのChiwang Monasteryを訪れた際、敷地内を案内してもらっている間中、息切れが止まりませんでした。なんとか車でパプルに戻ってきましたが、頭痛で起き上がれなくなってしまいました。Happy Houseの従業員に「あなたは高山病よ」、と言われました。でも、日本在住のハーフネパーリの娘を含め、ニューヨーク在住20年以上の夫も同行した地元のシャーパの人々も、誰一人具合は悪くなっていませんでした。シャーパは遺伝子的に高所に適応した体になっているのかもしれない、と感じた出来事でした。単に私の体力が低下していただけかもしれませんが...


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