
7種類のプラクリティ
欧米でのアーユルヴェーダの普及に伴って作られたプラクリティチェックリストは、自分への気づきの度合いに応じて結果が異なります。そのため、プラクリティと今日の自分の体質(ヴィクリティ)が同じとは限りません。結果にとらわれて「自分はこういう性質だ」と思い込むのではなく、自分が持ちうる可能性として柔軟に捉えるようにしましょう。
ヴァータ体質
機敏で活発、ときに気まぐれ
ヴァータ体質の特徴は、軽さや冷たさ、動性が強くあらわれることです。風の様に軽やかに行動する力や、肩にはまらない柔軟さを持ち合わせています。体格はやせ気味で、皮膚は冷たく乾燥気味。髪もパサパサしていることが多いでしょう。身が小さく、鷲鼻で歯並びが悪いことが多いようです。筋肉質ではないため、血管や靭帯が浮き出て見えることがあります。
ヴァータのバランスが崩れると、冷たさや乾燥といった性質が助長されるため、手足が乾燥したり冷たくなったり、ガスがたまりやすくなったりします。緊張性頭痛や腰痛などの体の痛みも起こり、不眠にも陥りやすいでしょう。循環器疾患や脳・血管疾患(狭心症や心筋梗塞、脳卒中)、神経系疾患などにかかりやすい傾向もあります。
心の面では、ヴァータのバランスが崩れているときには活発さや敏捷さが際立ち、頑張りがききます。新しい物や変化を好み、順応性が高く、早口な人が多いのが特徴です。想像力が豊かで理解力がよく、記憶力にもすぐれています。
ただし、トリグナのひとつであるラジャスが増加するなどして、ヴァータのバランスが崩れると不安感が強くなり、気分が変動しやすくなることもあります。衝動的になる、集中力が落ちる、緊張しやすくなる、忘れっぽくなるなどのマイナス面が現れやすくなります。恐れの気持ちが出やすくなって心配症になり、空虚感を伴った抑鬱症状が見られることもあります。率先して行動することが多いものの、信念が変わりやすくて長続きしなかったり、住所や仕事をすくに変えたり浪費をしありする傾向もあります。
機敏で快活。順応性があり、理解が早い。想像力が豊か。気分が変わりやすい。ストレスをうけやすい、緊張しやすい。
性質
アンバランスになりやすい
季節、年齢
晩秋〜冬、老年。
便秘しがち。寒がりで冷え性。腹部膨満、不眠、乾燥肌になりやすい。頭痛、脳卒中、高血圧になりやすい。
体
適している仕事
ダンサー、デザイナー、
教育者、著作者、写真家
ピッタ体質
知的で情熱的、ときに怒りっぽい
ピッタ体質の心身の特徴は、熱性と鋭さ、強烈さです。情熱的な火のエネルギーと、それを調整する水の力をあせ持っています。
体は中肉中背で均整がとれており、黄色味がかった暖かくて柔らかな肌をしています。日焼けしやすいため、つやのある小麦色の肌をしていることもあります。髪は細くて柔らかく、関節は柔軟です。体内に熱のエネルギーを多く持っているため、寒さに強いものの暑さには弱く、汗をかきやすい体質です。便秘をすることはめったにありませんが、下痢をすることは多くあります。鋭い目つきには知性があらわれ、闘志や敵対心が浮かんでいます。
ピッタのバランスが崩れると汗っかきになり、赤い湿疹やじんましんなどにもなることがあります。目が充血しやすく、口臭や体臭、若はげ、白髪が目立ちやすいのも特徴です。肝臓や胆嚢、胃腸の病気を発症し、胸焼けが出やすい傾向もあります。肝疾患や胃・十二指腸潰瘍、心疾患、アルコール依存症、皮膚病などになりやすいとも言えるでしょう。
心の面では、ピッタのバランスがとれている状態のときは知的で情熱的です。勇敢で機転がきいています。チャレンジ精神が旺盛で、集中力も高く、行動や話に無駄がなく、リーダーに最適な人物です。
しかし、ラジャスなどが増えてピッタがバランスを崩すと、短気で怒りっぽい性格になります。見栄や嫉妬が強くなることもあります。なにかと批判的になったり、完璧主義がいきすぎて敵をつくりやすいという傾向もみられるでしょう。
情熱的で知的。勇気がある。リーダーに適する。怒りっぽい。完璧主義で見栄っ張り。
性質
アンバランスになりやすい
季節、年齢
夏〜秋、壮年。
快食、快便。体が柔らかい。弾くが輝く。髪に腰がない。皮膚発疹や出血、目の充血、下痢、消化器疾患を起こしやすい。
体
適している仕事
経営者、政治家、外科医、
法律家、弁護士。
カパ体質
穏やかで寛大、ときに大雑把
カパ体質の心身の特徴は、安定と重さ、滑らかさです。大地のようにどっしりと構えた、安定感があります。
体格はがっしりとしており、体力や持久力に優れています。色白な肌は冷たくてしっとりとなめらか。体臭は強くありません。大きな目と長いまつ毛、黒くて艶のある髪が特徴です。歯は大きく、歯並びが整っています。
しかし、カパのエネルギーがバランスを崩すとだるさや眠気が起こります。口内が甘ったるくなったり、痰が増加したりすることもあります。太りやすくなるのも特徴です。また、アレルギー性鼻炎や鼻水・鼻詰まりに悩まされ、気管支炎や喘息などの気管支疾患にかかりやすくなります。湿気に弱いため、関節のトラブルを起こしやすいでしょう。
心の面では、バランスがとれているときには慈愛深く献身的で、穏やかさと寛大さに溢れています。情にもろく、波風が立たないことを好む傾向もあります。心がゆったりと落ち着いており、辛抱強く着実に物事をやり遂げることができます。物覚えがよくはないもののいったん覚えると忘れにくく、物事をやり通すタイプです。なにごとにも蓄積するという性質を備えているので、お金などを貯めるのが得意です。
ただし、タマスやラジャスが増えてカパがアンバランスになると、物事へのこだわりが強くなり、執念深くなります。思考が鈍くなって大雑把になり、活動する意欲がなくなって抑鬱症状になることもあります。愛欲に溺れたり、独善的な面や保守的な面が出てしまうこともあります。
心が落ち着いている。辛抱強く着実。慈愛に満ちて献身的。鈍感で、おおざっぱ。
性質
アンバランスになりやすい
季節、年齢
春、若年。
体力、持久力がある。体格がよい。肥満しやすい。痰、鼻水、鼻詰まり。糖尿病、気管支炎になりやすい。
体
適している仕事
看護師、管理者、コック、建築家、カウンセラー、肉体労働者。
複合体質
複数のドーシャがアンガランスになりやすい
複数のドーシャバランスが合わさった複合体質は、いずれのドーシャともアンバランスになりやすく、個性においてもいずれの長所と短所を兼ね備えています。こうした複合体質の場合、あわせもったドーシャのうち、優勢になりやすい季節や時間帯などの法則を知ることで、その時の体質を推測しやすくなります。
ヴァータ・ピッタ体質
ヴァータとピッタに共通する「軽さ」が強調された性質があらわれます。冷え性にもかかわらず、暑いのも苦手です。ヴァータ体質の特徴であるスリムな体と、敏捷さ、友好的な性格を備えています。食欲が旺盛で、大食をする傾向にあり、すぐに胃腸が悪くなります。また、ストレスに対する不安と怒りが交互にやってくるという傾向もあります。ヴァータの創造性とピッタ特有の意欲の強さを持ち合わせた性格の持ち主だと言えます。
ピッタ・カパ体質
ピッタとカパに共通する「油性」や「湿性」が強くあらわれます。カパの特徴である安定感とピッタの特徴である抜かりなさが発揮され、どの分野においても成功する人が多いでしょう。カパの影響による頑強な肉体にピッタの特徴である代謝のよさが加わるため、寒さにも暑さにも強くタフです。精神的には、カパの注意深さによってピッタの起こりっぽさが中和されています。ただし、自信過剰と自己満足に陥りやすいため、仲間をつくりにくいでしょう。ストレスがある状況では、恐怖や怒りによって自らを緊張させ、厳しく追い詰める傾向があります。
ヴァータ・カパ体質
ヴァータとカパの双方に共通する「冷性」という性質が際立つため、体も心も冷たさに弱いという傾向にあります。体格は、背が高いか低身長で細めです。冷え性や便秘、鼻炎、気管支炎などに悩まされやすい体質です。カパの特質である頑強さや慈愛深さ を備えていますが、カパとヴァータの質が相反するため、分裂した精神状態になりやすいのも特徴です。ものごとを十分に調べたり、検討したりせず、いきなり結論をだしがちです。
ヴァータ・ピッタ・カパ体質
ヴァータ・ピッタ・カパの3つが同じ割合になっている体質です。まれに見られるこのタイプの人には、各ドーシャの良い面があらわれています。あるときはヴァータの持つ軽やかさと発送の豊かさ、あるときはピッタの柔軟性と知性の鋭さ、あるときはカパの持久力の強さと慈愛深さがあらわれます。免疫力が 高く、健康で長寿な傾向があります。ただし、どのドーシャも乱れやすいというマイナス面もあります。
ドーシャからひもとく相性と適性
ドーシャをもとに、人間関係の相性を考えることもできます。たとえば相性のよい夫婦は、妻がヴァータ・ピッタ体質、夫がカパ・ピッタ体質であることが多いようです。
また、ドーシャによって仕事における適性も見えてきます。たとえば、ヴァータ体質の人は、想像力を働かせて製品開発などに尽力できる人材です。単純作業でなく新規事業の開発などが適しています。ピッタ体質の人は、リーダーとしてグループを率いる立場が最適です。頭脳的にテキパキと仕事をこなしてくれるでしょう。カパ体質の人は、リーダーを支えるような仕事や、忍耐力が必要な仕事において長所が生きてきます。
このようにドーシャを知ることは適性を考えるうえでも役に立つと言えます。