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ドーシャ

​3つのドーシャ体のドーシャ

ドーシャとはサンスクリット語では「不純なもの」または「増えやすいもの」、「体液」、「病素」などの意味があります。これは中国医学でいう「気」に相当します。つまり、ドーシャとは生命エネルギーのことです。私たちの体の中にあるドーシャは常に大きなバランスの中で関わり合いながら移り変わっています。ドーシャには3つの種類があり、この3つのドーシャのバランスにより、現在の状態であるヴィクリティと本来の状態であるプラクリティという私たち自身の状態を知る事ができます。

ヴァータ

風と空の元素から構成されており2つの元素の割合によってその活力が変化します。運動エネルギーとして体内における運搬や循環、異化作用(細胞を分解する働き)、思考などの活動を担います。

ピッタ

​火と水の元素から構成されています。火と水は正反対の性質をもつようにも思えますが、相互に調整し合い生命活動を維持するうえで欠かせない働きを担います。変換のエネルギーとして代謝や消化を制御します。

カパ

​水と地の元素から構成されます。結合エネルギーとして構造や体力を維持する同化作用を担っています。

ドーシャは、生命を維持するために重要な役割を担っています。例えば、骨の主成分はカルシウム・リン・タンパク質です。しかし、この成分を混ぜ合わせるだけでは骨はできません。これらの成分を固体化させて骨にするためには、構造を維持するエネルギーであるカパが必要です。また、体内で血と肉を作るためには、変換エネルギーであるピッタが必要です。そして、体の各所に栄養を送ったり、代謝された老廃物を排出したりするためには運動エネルギーを担うヴァータが必要です。3つのドーシャの働きがバランスを保っていれば、構造や代謝、循環が順調に行われ、健康な体を維持することができます。ただし、いずれかのエネルギーが増えすぎるなどアンバランスになると、心身に不快な症状があらわれます。

ドーシャの性質と作用

私たちの性質や状態はドーシャのバランスにより、現在の体の状態であるヴィクリティと生まれながらに持ち合わせている本来の性質であるプラクリティとに分けられます。ヴィクリティは、現在のドーシャのバランス状態と本来の体質のドーシャバランス(プラクリティ)のずれと言えます。アーユルヴェーダでは本来プラクリティを重視しますが、ストレスの多い現代ではほとんどの人がヴィクリティの状態で生活しています。そのため、セルフケアを行うためにはヴィクリティを参考にします。

ヴィクリティを判断するには、この1週間を振り返り、ヴィクリティチェックリストの各質問に5段階で点数をつけ、ヴァータピッタカパそれぞれの合計点を出してみてください。合計点が20点以上のもの、もしくは4点が1個でもあるドーシャはアンバランスな状態です。また、該当するヴィクリティは、1つだけとは限らず、2つもしくは3つという場合もあります。数が多くなるほど、そのドーシャの異常度が高いという事になります。3本の指の最深層のバランス状態を脈診すればヴィクリティ診断することもできます。また、セルフケアなどによって、ヴィクリティは変動します。

プラクリティを診断するには幼少期からの自分の性向を思い返しながら、5段階でチェックしてみてください。最も点数の高いものがあなたのプラクリティだと考えられます。45点以上になるものが2つ以上あれば、2種類の複合体質ということになります。プラクリティも脈診すれば診断することができますが、これは高度な技術と訓練が必要なので、チェックリストで調べた方がわかりやすいです。ヴィクリティプラクリティ同じとは限りません。

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