浄化の準備(アーマ・パンチャナ)
1. 白湯を飲む
温かい白湯を飲みましょう。白湯は火とか水のエネルギーをもっており、その中の火のエネルギーが、同じく火のエネルギーであるアグニを増進させます。そして、水は尿量を増やして毒素の排出を促します。冷たい飲食物を摂るとアーマが生成されるので、温かいものしましょう。
白湯の作り方については「もともとの水が半分〜1/4量になるまで煮詰める」などの方法が示された古典もあります。しかし実際には、10分以上沸騰させて塩素を飛ばせば十分です。その後は、快適な温度に冷まして少しずつ飲むと良いでしょう。特に食事中にすするように飲むと甘露の液体になるといわれており、これは消化酵素が作用しやすくなるためだと考えられます。ペットボトルや缶などに入った市販の飲料よりも、白 湯を選ぶことをおすすめします。
2. 食事の量を減らす
食事のときは、糖分(特に小麦製品)や脂肪分を控え、量は腹半分から八分目にとどめるようにしましょう。週に1日は、野菜ジュースや野菜スープ、お粥、白湯のみで過ごすのもおすすめです。弱っていたアグニが立ち直り、アーマを消化する力が蘇ります。できれば週に1度、1日断食をすることも効果的なアーマ・パンチャ ナになります。ちなみに、お釈迦様は「ウポアズ」という少断食によって体調を整えたと伝えられています。
ただし、断食には、ヴァータやピッタを増大させる副作用もあります。その結果、胃十二指腸潰瘍によって穿孔するという例もあるので注意が必要です。ピッタ体質やヴァータ体質の人は完全な断食をするのではなく、食べる量を減らす程度にすると良いでしょう。
3. アグニの変動に応じた食事をする
アグニが低下する朝と夕は、食事を少なくすることをおすすめします。特に、朝方に体が硬いなどの症状がある人は、軽めの夕食を早い時間帯(日没後3時間まで)に済ませます。また、夕食には揚げ物や肉など消化力の強さが求められるものを食べないようにすると良いでしょう。
4. アグニを高める薬草を積極的に摂る
代表的な処方は、スライスした生姜に塩とレモンを振りかけたものです。毎食前にとるといいでしょう。または、生姜の絞り汁大さじ1杯に同量の蜂蜜を加え、レモン汁やこしょうを振ってぬるめの白湯で薄めたものを食前に飲みます。そのほか、ヴァータが乱れた冷え症の人などの場合は特に、生姜のスライスを5〜10分間煮出したものを飲む方法も効果的です。胃腸が軽くなるのを感じられることでしょう。肝臓機能が低下して消化力が弱まっている場合は、さらにターメリックを加えることをおすすめします。生姜を加熱することによってショウガオールという成分が増え、血流促進などの効果を発揮するため、手足が冷えやすい人にもおすすめです。
アグニを高めて浄化力をアップ
アグニを高める行動は全て、浄化を促す効果を期待できます。適度な運動や入浴もアグニを高めますし、排泄も浄化療法になります。
排泄を促すためには、ドーシャのバランスがとれている必要があり、特にヴァータの働きが順調であることが求められます。ヨーガやオイルマッサージを行うほか、ヴァータを乱さない規則的な生活を送ることで排泄力を高めることができます。食物繊維が豊富な食品やフノリなどの海藻類、セルロース含有食品などをとるのも良いでしょう。
さらに発汗には、ピッタの浄化効果もあります。普段から、うっすらと汗をかけるような運動をするのが理想的ですが、ピッタが増えやすい夏には特に、しっかりと汗をかくようにすると良いでしょう。発汗のためにサウナに入るのも効果的です。ただし、その際には、頭や顔の温度上がりすぎないよう注意しましょう。顔などを覆わないようにしたり、濡れタオルを顔にかぶせて入るのもおすすめです。